ウーグウェイ「カイ!私とともに魔法少女になりませんか?」カイ「正気か?ウーグウェイッ!」
導師「いたって正気ですが…なにか不満でもあるんですか?」
カイ「いきなり呼び出しといて何かと思えば魔法少女になろうだって?」
カイ「まず俺たちは魔法がなければ少女でもない無法おじさんだぞ」
導師「何ですかその中年犯罪者は?私は魔法少女になろうといっているんですよ?」
カイ「だから俺たちが魔法少女を名乗ること自体が間違ってんだよ!」
カイ「百歩譲って魔法は気の力で誤魔化せるが、少女は無理あるだろ」
導師「誰しもが心に乙女の純情を秘めています…年齢、性別は問題ありません…」
導師「それに500年間私をストーカーしてきたあなたは十分女々しいので大丈夫ですよ!」
カイ「喧嘩売ってんのか」
導師「とりあえず名前から決めないといけませんね。何にしましょうか?」
カイ「おいおい本気でやるのか?」
導師「やるとなったら名前を決めないといけませんからね!んー『魔女っ子にゃんにゃん★うーぐえー』なんていかがでしょうか?」
カイ「お前が主役かよっ!(こいつは一度決めたらとことん突き進むタイプ…なんせ兄弟の俺を魂の王国に追放する決断ができる奴だ。俺には止められん)」
導師「じゃあカイが主役の『ミラクル少女★カーくん』で!」
カイ「俺カーくんなのぉ?(いや、案外乗ってみるのもありかもしれん…信用させてこいつの背後を取り復讐を完遂してやる!)」
カイ「最初の魔女っ子にゃんにゃんウーグウェイでいいだろ…」
導師「ウーグウェイじゃありません。うーぐえーです!」
カイ「こまけぇなおい」
導師「名前が決まったところで衣装を決めないと。なんたって魔法少女物の醍醐味変身シーンに関わってきますからねぇ~」
導師「私はこの帽子と…ガサガサ杖を使います。」
カイ「すごい尖がり帽子だな…」
導師「ハイハイ筋骨デブのあなたはこの桃色のリボンとフリルがついた腰巻を付けてくださいね。アト ヘルメットモ」
カイ「リボンもフリルもヘルメットも全部桃色だと!こんなん恥ずかしくて着られるか!」
導師「わかってないですね~筋肉馬鹿のあなたは格好だけでも可愛くしないと人気が出ませんよ。それに緑色は不人気カラーなので桃色に変更してください。」
カイ「お前は他人にかわいさを説けるような歳でもな…」
導師「ジトー👁️👁️そんなに嫌なら魔法少女じゃなくてマスコットキャラでもいいんですよぉ?」
導師「声は高く、語尾はモキュッ!歩くたびにチョコチョコ足音がしてぇ~マスコットなので帽子以外の服は脱いでくださいねぇ?ニヤニヤ」
カイ「ただの変態じゃねぇかっ!」
カイ「わかったわかった…着ればいいんだろ(お前も黄緑色じゃないか…なんで俺だけ)」
カイ「(つーかなんだよこのステッキ。リボンがついて振り回しにくいったらありゃしない)」
導師「はい!衣装も決まったところで早速仲間を増やしましょうか!」
カイ「えっ、俺たちだけが魔法少女になるんじゃないのか?」
導師「仲間は多いほうが楽しいですからね~あと五人くらいは欲しいところ…」
カイ「仲間って言ってもこんなところ(魂の王国)じゃ一人探すのも精いっぱいだろ(っていうかこんな恥ずかしい服で人前に出たくないぞ…)」
導師「じゃあ地上に降りましょう…」
カイ「はあ?ち、ちじょう!?こんな無様な姿を地上のやつらに…」
導師「そんなにこの衣装が嫌ならマスコットでも構いませんが?🙄」
カイ「ぐぬぬ…ついていけばいいんだろ。はあ…てか地上って俺が行っても良いのか?」
導師「大丈夫ですよ。今のあなたに気を奪う力はありませんし、それに私はカイを、いやカーくんを信じてますから…」
カイ「ウーグウェ、うーぐえー…(なんだこの気持ち、俺はこのバカ騒ぎに乗じて復讐するつもりなのに…)」
ーーーー翡翠城 正殿------
モンキー「ポーが山賊退治に出かけてからすごい静かだよなー」
カマキリ「あいつはムードメーカーなところあるからな」
モンキー「確かに。ポーがいるだけで周りが明るくなる」
ツル「ま、一番のムードメーカーは僕だけどねキラッ」
カマキリ「そうだな(棒)」
タイガー「あんた達サボってないでちゃんと床拭いて」
ヘビ「そうよ。私たちしか頑張ってないんだから!」
「その通りだ」
マスターファイブ達「シーフー老師!」
モンキー「お師匠様、いつから居たんです!?(気配がなかった!)」
老師「怠けは隙を生む。心の余裕も必要だが、メリハリがなくてはだらけてしまう」
老師「敵が平和の谷を襲うとき、瞬時に動けるよう心構えしておくことだ。たとえ龍の戦士がいなくてもな」
猿蟷鶴「すみません…」
ーーーー翡翠城の柱に隠れる二人ーーーー
カイ「なあ本当にあいつら(マスターファイブ)を誘うのか?」
導師「はい、何か問題でも?」
カイ「いや問題しかないぞ!俺はこの城を破壊した上にあいつらをヒスイにした張本人だ!
導師「和解のついでと思えばいかがです?」
カイ「お前なあ💦」
導師「ほらつべこべ言わず、打ち合わせどうりにお願いしますね~ドンッ」
カイ「うわっ!」
どさっ
カイ「痛ってぇなぁ😡…あ」
翡翠城一同「え?」
カイ「…」
空気を読まず現れるウーグェイ導師
導師「みなさん!私たちとともに魔法少女になってみませんか?キラキラ」
シーフー老師「…」
カマキリ「まじかよ…」
ツル「何でウーグウェイ導師と」
モンキー「カイ将軍が」
タイガー「いるのよ!」
カイ「(まあこういう反応になるよな…)」
カイ「あ、えー、あのだな。この間のことは…悪かった。お詫びの印というか、和解の意味を込めてというか…前置きはここまでにして俺たちと一緒に魔法少女になってくr」
老師「お前たちッ!!臨戦態勢につけッ!!!」
ファイブ「はいっ!!!!」
カイ「おい!ウーグウェイッ!あいつ等戦闘する気満々だぞ!!!」
導師「ウーグウェイではありませんッ!うーぐえーですッッ!」
カイ「そんなこと言ってる場合かあああッ!」
導師「どうやらある程度発散させるしかないようですね!変身しますよ!」
カイ「ッ!????」
黄緑色の花弁と共に高速お着換えするうーぐえー
カイ「(こうなったらやるしかないッ!!)
桃色の花弁が吹き出し大量のリボンが絡みついて魔法少女姿へと変身
うーぐえー「私たち二人合わせて!」
カーくん「マジョッコニャンニャン…モジモジ」
うーぐえー「ちょっとー大きな声で言ってくださいよ~」
カーくん「いい歳したおとこがにゃんにゃん💗とか言えるかあぁッ!!!」
ヘビ「何今の…ドンビキ😨」
モンキー「いやーあーはなりたくねーな」
タイガー「無様ね」
カイ「(くそ、あいつらごみを見るような目で見てきやがる!心なしか翡翠城を襲った時より冷たい目してるぞ!?)」
老師「動揺するな!私たちを油断させようとしているのだ!」
ツル「とにかくカイ将軍を倒してウーグウェイ導師を救出しないといけない!」
老師「カイ将軍を撃退し、さきの屈辱を晴らすのだ!」
マスターファイブ「はい!!!!!」
カーくん「ふん!貴様らなどこの気を奪う力でヒスイにしてやる!」
うーぐえー「あっ、カーくんはこう言ってますけど実際は気を奪う力を喪失しているので安心してくださいねー」
カーくん「相手に情報与えてんじゃねー!!!😡」
タイガーが先行をきる
タイガー「ハアーッ!!」バンッ!
カーくん「フンッ!(以前より破壊力が増してる!防御しきれないッ!)」
タイガー「もう子猫ちゃんなんて言わせない!」
ツル「正義の翼!」
サル「食らいやがれ!」
カマキリ「デカいからって調子に乗るなよ!」
ヘビ「絞めてあげる!」
カーくん「(まずい…予想以上に強くなってる!?このままでは本当に…!)」
カーくん「お…おい、うーぐえー…たす…け」
うーぐえー「すみません💦私回復担当ですので攻撃はからっきりです💦痛いの痛いの飛んでけ~おまじないです☆」
カーくん「のやろぉ…(これが終わったら絶対復讐してやる…)」
カーくん「ぐおおおおおお離れろぉおおお!!!」
体を絞めあげるマスターヘビを力技で振りほどく
ヘビ「急に力が増して!!!」
カーくん「俺はな、追い込まれると力を発揮するタイプなんだよっ!」
ヘビを投げ縄のように振り回す
ヘビ「キャアッ」
ツル「ヘビ!!!今助け、うわ」
投げ飛ばされたマスターヘビがマスターツルにぶつかる
タイガー「形勢逆転…!?」
モンキー「一気にパワーアップしてるぜ…」
カマキリ「あれが魔法少女の力ってことか?」
カーくん「フッ気を奪う力はないが」
カーくんはリボンがついたステッキを振り回す。
かつてパンダ村のメイメイが自分の部下を倒した時と同じように
カーくん「これがあれば貴様らを一網打尽にできる!」
不思議と力がみなぎる。ウーグウェイ導師の魔法(気の力)のおかげだろうか?
カーくん「おらぁあ!!」
振り回したリボンは円を描いて広がる。
それは正殿の間を覆いマスターファイブ達の体に巻き付いた。
老師「ぐぬぬぬ…」
タイガー「すみません…お師匠様」
モンキー「くそっ、またかよ」
カマキリ「やっぱりポー導師がいないと勝てねぇ」
ツル「僕たちポーがいないと…何もできないのかな」
ヘビ「悔しいけどそうなのかもね」
カーくん「ガハハハハ!どうだ?これが魔法少女の力だ!見たか?うーぐえー!!!」
うーぐえー「はい、やりましたね!」
カーくんはうーぐえの補助を受けてマスターファイブを拘束することに成功した
高笑いする様は魔法少女というより悪の組織の幹部のようである
タイガー「私たちの修行の成果って一体…いえ」
タイガー「こんな終わり方認めないッ!!!」
彼女は力を振り絞って拘束を破ろうとする
ビリリリィィィィィ!
なんと体に巻き付いたリボンはいともたやすく切れたのだ
カーくん「え」
タイガー「みんな!このリボン全然固くないわ。簡単に切ることができる!」
ビリリリィィィィィ
モンキー「お?マジだ」
ビリリリィィィィィイイイ
カマキリ「俺の鎌にかかればこんなもの」
ビリリリィィィィィイイイ
カーくん「ちょ」
ツル「本当だ!くちばしで突いただけでほつれてきた」
ヘビ「誰か手伝ってくれない?私の体だとやりにくくて…」
カーくん「う、うーぐえーさん…?どゆこと?」
うーぐえー「見た目を重視して絹製のリボンにしたのが間違いでしたね」
うーぐえー「えーい 逃げるが勝ちです!!!」
カーくん「うそーーん!!!!(俺たちいったい何しに来たんだ…(´;ω;`))」
老師「この機会を逃すなッ!」
マスターファイブ「はい!!!!!」
この後猛烈な攻防の末
カイ将軍とウーグウェイ導師はなんとか魂の王国へ帰還(逃走)した
…
カイ「はぁはぁはぁやってられっかぁ…」
導師「すみません。苦労をかけましたね…」
カイ「全くだ。お前の突拍子もない思い付きのせいで疲れるぜ(結局、何もできなかったな)」
導師「まあ翡翠城のほうは上手くいったみたいでよかった…」
カイ「あ?どういう意味だ?」
導師「えっ、あーその…」
カイ「ギロなんか隠してるだろ」
導師「白状します…」
モンキー「えーっ!お師匠様!カイ将軍の襲撃をあらかじめ知ってたんですか!?」
老師「黙っていてすまない。お前たちがポー導師の指導を受けてからというもの少し気が緩んでいるように感じてな…一人で悩んでいたところウーグウェイ導師が現れて改心したカイ将軍を引き連れてお手合わせしようとおっしゃるものだから…(しかし魔法少女とやらの姿で登場するとは思わなかったが)…」
ツル「最初から言ってくださればよかったのに~ウーグウェイ導師が無事なら良かったですけど…ホッ」
カマキリ「回りくどいぜ、お師匠様~」
タイガー「私が至らないばかりに…ご心配をおかけしました。」
老師「いや、お前たちはよくやった。強敵をあそこまで追い詰めることができたのだ。自分を誇りなさい…」
タイガー「はいっ!パアッ🥹」
ヘビ「シーフー老師が心配するのは無理ないわ。最近のポー導師の修行って瞑想という名の漫画熟読だったり、胃を鍛えるとか言って大食い競争だったり、変な修行ばっかりだったもの」
老師「ヘビ、ポー導師の修行内容を詳しく聞かせてくれないか…ジー😠」
ヘビ「あっはい。(言っちゃまずかったかしら💦)」
モンキー「まあなんだかんだ言ってもあの手合わせで学ぶことも多かったからなあ」
ツル「自分の弱点も分かったしね」
カマキリ「鍛錬するか」
カイ「なるほど。奴らの気が緩んでいたから俺と一戦交えることで緊張感を与えたかったと?」
導師「はい…」
カイ「で?俺を当て馬にしたというわけだな?」
導師「結果的には…はい。ですが」
カイ「ええい!!!じゃかましい!!!」
導師「ビクッ」
カイ「お前というやつはいつもこうだ!訳も話さずに周りを振り回しやがって!!!許さん!絶対に許さん!!!」
導師「あなたとまたバカ騒ぎしたかったんです…」
カイ「?」
導師「500年前のあの時武人として世を駆けていたあの頃。私が考案した奇抜な戦略にカイはいつもついてきてくれました。」
導師「1000年の人生の中で最も楽しい時でした。あなたとなら最高にぶっ飛んだ日々を過ごせると思っていました。
導師「でもパンダ村で貴方を魂の王国へ追放した時からその日々は終わりました。」
導師「あの時の決断は後悔していません。でも、申し訳ないと思っています。」
導師「500年の時をかけてあなたと再びこの地で巡り合えた時、実は嬉しかったんです。またあの日々を再開できるんじゃないかって…でもあなたは憎悪の炎に包まれていました。当然です。仕方ないと思います。」
導師「でもあなたが龍の戦士に倒され、気を奪う力を失い改心した今なら…
またやり直せるんじゃないかって、そう思ったんです」
カイ「…ウーグェイ。俺は改心なんかしていない。それにお前のことも許していない。あの茶番に乗ったのもお前の寝首をかくためだ…」
カイ「でもな、俺もあの日々は楽しかったと思ってる。」
導師「えっ」
カイ「今度は珍妙な誘いするなよ…話し相手くらいならしてやるから…」
導師「…はい!」
カイ「(まあこう言わねぇとウーグウェイと会う機会作れないしな。許したわけじゃない。ただ復讐の機会を作りたかっただけだ)」
カイ「(フッ…)」
ーーーーー翡翠城 離れの家ーーーーー
ポー「みんなただいまー!僕が居なくて寂しくなかった?ってあれ?部屋に誰もいない…」
ポー「どこ行っちゃったんだろ…」
老師「マスターファイブは今鍛錬場で修行している。ご苦労だったな、ポー😊ニコニコ」
ポー「あー!ただいま帰りました!お師匠…さま?(あれなんかすごい怒ってる!?)」
老師「帰っていきなりこんなことを聞くのは申し訳ないが、尋ねたいことがある」
ポー「あーいますごく疲れてて」
老師「お前を信用してマスターファイブの指導を任せていたが、ここ最近妙な修行を行うと聞いてなぁ…」
老師「漫画読んだり、大食い競争したり、鍛錬器具を遊んでいるとか…?」
ポー「あはは、遊んでませんよぉ~内なる平和を保つために修行してるだけで…」
老師「…ビキビキ😡」
ポー「…😨」
モンキー「さっき叫び声が聞こえなかったか?」
カマキリ「そうか?気のせいだろ?」
完------------------------
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